「配偶者(夫・妻)が浮気をしているかも…」と思っていても、自分ひとりで決定的な証拠を掴むことは難しいものです。特に慰謝料請求や離婚請求をしたい人の場合、不貞行為(肉体関係)の証拠がないと優位に交渉を進めることができないので、個人でそのような証拠を入手することは簡単ではありません。
そこで思いつくのが、探偵への浮気調査の依頼です。ただ、探偵というのは私たちに身近な存在ではないので、どうやって探偵選びをしたらいいか悩んでいる人も多いはずです。適当に探偵を選んでしまうと、調査力が無い探偵事務所だったり、悪質な業者に騙されてしまう可能性もあるので注意が必要です。

国民生活センターには年間1,000件以上の探偵事務所とのトラブルの相談があるくらいです。
そこで今回は、みなさんが探偵選びに失敗しないように、探偵事務所の選び方について徹底解説していきます。チェックリスト付きで紹介していますので、時間のない方はチェック項目だけでも確認してみてください。
STEP1:ネットで検索するときにチェックするポイント

探偵事務所を探すとなると、インターネットで検索をする人が多いと思います。しかし、ちょっと検索してみただけでも大量の探偵事務所があるので、どうやって絞り込んだらいいか悩んでしまうはずです。そこでまずは、ネットで探偵事務所を探すときにチェックしておくべきポイントを8つ紹介します。
- 探偵業届出番号が記載されているか?
- 誇大広告を謳っていないか?
- 行政処分を受けていないか?
- 探偵事業者の団体に加盟しているか?
- 実店舗が存在しているか?
- 自宅からの距離は適切か?
- 無料相談をしているか?
- 詳しい料金の説明が書かれているか?
それでは1つずつ詳しく解説していきます。
探偵業をするためには、探偵業法という法律により各都道府県の警察署(公安委員会)に届出をしなければなりません。届出が受理されると「探偵業届出証明書」という書面が発行され、正式に探偵業を営むことが許されます。

そのため、正規に探偵業を営んでいる探偵事務所のほとんどは、公式サイトに証明書の画像や証明番号を記載して健全さをアピールをしています。「そもそも、違法営業している探偵事務所なんてあるの?」と思う人もいるかもしれませんが、残念ながら悪質な業者は一部存在します。大手の探偵事務所であればそこまで気にする必要はありませんが、中小の探偵事務所に依頼する場合は必ず確認をしておきましょう。
「100%成功」や「激安」などの誇大広告を謳っている探偵事務所にも注意が必要です。そもそも、浮気調査は人間のする仕事ですので、100%成功することは絶対にありえません。企業努力により本当に低価格を実現している探偵事務所もありますが、市場価格よりも極端に安い料金で調査を行うことはまずできないはずです。
悪質な業者は誇大広告で集客して、浮気調査が完了した後にアレコレと理由をつけて高額な料金を請求してきます。普段なら騙されないような人でも、パートナーに浮気をされている状況では冷静な判断ができなくなることがあります。つい甘い言葉に引っかかってしまわないように注意してください。
探偵は他人のプライバシーを侵害するおそれがある業務を行うため、高い倫理観や法律遵守の意識が必要な職業です。そのため、探偵業法に違反すると探偵事務所に重い行政処分が下されます。注意喚起のために、各都道府県の警察署のサイトに違反をした探偵事務所の名前が掲載されていますので、必ず確認するようにしてください。

行政処分を受けた探偵事業者は信用できません。
探偵事務所や興信所が集まって〇〇協会や△△組合といった団体が作られています。こういった団体では探偵業界の健全化のために、会員に対して教育研修をしたり、消費者保護の立場で苦情処理などを行ったりしています。一定の要件を満たした探偵業者しか加入ができないため、できれば団体に所属している探偵事務所を選ぶようにすると安心です。
ほとんどの探偵事務所は店舗を構えていますが、中には店舗や事務所を持たずに営業しているところも一部存在します。店舗がないと喫茶店などで面談をすることになるので、個人情報が周りに丸聞こえになってしまいます。「特に気にしない」という人であれば問題ありませんが、できればプライバシーが守られている探偵事務所の店舗で面談を行ったほうがいいと思います。

GoogleMAPを使って、実店舗があるか事前に確認することもできますよ。
また、悪質な業者の中には、あえて店舗を構えていないところもあります。トラブルがあったときに、すぐに雲隠れができるようにするためです。もちろん、店舗を持たずに健全な営業をしている探偵事務所もありますが、事前に悪質な業者かどうか見分けるのは難しいため、やはり店舗のある探偵事務所を選んでおいたほうが安心です。
探偵事務所が自宅からどれくらいの距離にあるのかも重要なポイントです。
- 店舗が「近すぎる」と…
・店舗に出入りするところを配偶者や知り合いに見られる可能性がある。 - 店舗が「遠すぎる」と…
・調査員の移動費が掛かるので調査料金が高くなる。
・店舗に来店するときに大変。
住んでいる地域によって事情は異なるとは思いますが、なるべく負担の少ない距離にある探偵事務所を選ぶようにしましょう。
最近では多くの探偵事務所が無料相談を受け付けていますが、相談が有料という探偵事務所もあります。無料相談に対応している場合はホームページに記載されていますので、事前に確認しておくようにしましょう。相談料金は大きな金額ではありませんが、少しでも費用を安く抑えたいという人は気をつけておくといいと思います。
コチラの記事では無料相談をしている探偵事務所を紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
浮気調査の料金がどのくらいするのかは、依頼者が一番気になるところです。しかし、公式ホームページに詳しい料金の説明が書かれていない探偵事務所もあります。「依頼者から話を聞いてからじゃないと金額は出せません」というスタンスのようですが、依頼者側からしてみればかなり不親切です。

料金が分からないものを買おうとは思いませんよね。
たしかに、浮気調査の料金は依頼内容によって変動してしまうので、依頼者の話を聞いてから正確な金額を計算することになります。とはいえ、基準となる料金は必ず存在するはずですので、モデルケースの金額であれば公表することができるはずです。
それにも関わらず、ホームページに料金が記載をしていないのであれば、おそらく相場よりも高額な探偵事務所だと考えられます。もしくは、あえて料金体系を隠しておいて『依頼者からお金を取れるだけ取る』という悪質な業者の可能性もあります。そのため、ホームページに料金が掲載されている探偵事務所を選ぶようにしましょう。
STEP2:問い合わせのときにチェックするポイント
気になる探偵事務所を見つけたら、次はメールや電話などで問い合わせをすることになります。声や文章だけのやり取りになりますが、相手の様子を観察することで、その探偵事務所の『本当の姿』が見えてくることがあります。ここでは問い合わせをするときのチェックすべきポイントを5つ紹介します。
- 問い合わせの返信が遅くないか?
- 電話応対者の態度は悪くないか?
- 質問をしたら明確な答えが返ってくるか?
- 強引に面談を迫ってこないか?
- 折り返し電話の時間は守られているか?
それでは順番にみていきましょう。
問い合わせの方法としては、主に『電話』か『問い合わせフォーム』から連絡することになります。電話の場合であれば受付の人と直接会話ができるのでスムーズにやり取りができますが、問い合わせフォームから送信した場合には相手からの返信を待たなければなりません。調査が一刻を争うケースもあるので、24時間以内に返信をしてこない探偵事務所には依頼しないほうがいいでしょう。
依頼者は「なんとか浮気の証拠を掴みたい」と、藁(わら)にもすがる思いで探偵事務所に問い合わせをします。そのため、優良な探偵事務所であれば、そういった依頼者の心情に寄り添った受け答えをしてくれるものです。しかし、依頼者への配慮のない探偵事務所というのも一部には存在します。
例えば、このような探偵事務所は注意が必要です。
- 冷たい話し方をしてくる
- こちらの話を聞かない
- タメ口で話してくる
など
ただ、真夜中に電話をすると、電話担当者がおらず、たまたま電話に慣れていない調査員が出ることもあります。そういった場合は仕方ありませんが、親身に相談に乗ってくれる探偵事務所はたくさんありますので、電話対応の良いところに依頼するようにしましょう。
探偵事務所に行って面談をする前に、色々と聞いておきたいこともあると思います。もし疑問や質問などあれば、遠慮なく聞いておきましょう。しかし、探偵事務所によっては「詳しい内容は面談をしてからでないとお答えできません」などと答えを曖昧(あいまい)にしてくるところもあります。
もちろん、依頼内容などをしっかりヒアリングできていない状況では答えられない質問もあるとは思いますが、担当者の人が真摯に答えようとしている様子かどうかは見極めるポイントです。質問を適当にはぐらかされていると感じるようであれば、あまり良い探偵事務所とはいえません。
浮気調査の依頼をする前には、必ず担当者との面談が必要です。そのため、優良な探偵事務所であれば「詳しいお話は面談でお伺いしますがいかかですか?」のように、依頼者側に選択をゆだねてくれます。しかし、以下のような言葉で強引に面談(=来店)させようとしてくる探偵事務所もあります。
「早く調査をしないと取り返しのつかないことになりますよ。」
「今だけキャンペーン中なので、とにかく安くできますよ。」
「面談をしてからでないと金額は一切お出しできません。」
強引に面談を迫る探偵事務所は、同じように強引に契約させようとしてくる可能性が高いので注意が必要です。
信頼できるかを判断するには、細かいところにも注目しておくといいと思います。よくあるのが「担当者が不在なので◯時◯分に折り返しお電話します」というときです。依頼者側もそのタイミングに時間を空けて待つことになるので、時間を大幅に過ぎて折り返しをしてくるのは大変失礼なことです。
もちろん、相手も他の案件の対応で忙しい場合もあるので5〜10分くらいであれば許容範囲ですが、30分以上遅れて連絡がくるようであれば問題です。些細な約束を破るようであれば、他の重要な約束も守ってもらえるか不安になってしまいます。細かなことかもしれませんが、しっかりチェックをしておきましょう。
STEP3:担当者との面談のときにチェックするポイント

それでは最後に、探偵事務所の担当者と面談のときに注意するポイントについて解説していきます。担当者と直接顔を合わせて会話をするので、みなさんの五感を使って探偵事務所の良し悪しを判断することができます。ネットや電話だけでは分からないこともかったことも見えてきますので、しっかりチェックしておきましょう。面談時にチェックポイントは以下の7つです。
- 探偵事業届出証明書が掲示されているか?
- 調査プランや料金の説明は丁寧か?
- 注意事項やデメリットを隠していないか?
- 質問をしたら明確な答えが返ってくるか?
- 報告書のサンプルを見せてもらえるか?
- 強引に契約を迫ってこないか?
- 担当者とのフィーリングは合うか?
それでは、順を追って解説していきます。
先ほどもお伝えしましたが、探偵業を営むには探偵業法という法律により、管轄する警察署(公安委員会)に届出をしなければなりません。届出をすると公安委員会から探偵業届出証明書が交付されますので、証明書を持っているということは正規に探偵業を営んでいる証です。
探偵業法により、事務所の見やすい場所に探偵業届出証明書を掲示することが義務付けられているので、面談のときなどに掲示されているか必ず確認してください。もしも掲示されていない場合は、無届出で探偵業を営んでいる可能性があるので注意しましょう。
探偵に浮気調査を依頼する場合に一番気になるのが料金や調査内容だと思います。浮気調査を依頼する場合にどんな調査が必要なのか、それに伴う料金について丁寧に説明してくれているかどうかに注目しておきましょう。
浮気調査の主な料金体系は「時間型プラン」「パック型プラン」「成功報酬型」の3つのプランがあります。どのプランにもメリット・デメリットがあるため、依頼内容や条件によってどの料金体系を選んだ方がいいのか理由も詳しく説明してくれる探偵事務所を選ぶようにしましょう。
浮気調査の料金について詳しく知りたい人は、コチラで詳しく解説していますので、合わせて御覧ください。

探偵事務所が良い部分しか説明してこない場合には注意が必要です。多くの依頼者は初めて浮気調査をする人ばかりですので、デメリットやリスクについて理解できていない人がほとんどです。そのため、本当に良い探偵事務所というのは、初めての依頼者にも分かるようにメリットだけでなくデメリットやリスクについてもしっかり教えてくれます。
後々になって「思っていたのと違った」と分かっても、契約してしまった後だとどうしようもできません。悪い部分も隠さずに説明をしてくれているかというところにも注目しながら話を聞くようにしましょう。
こちらからの質問に対して明確な答えが返ってくるのかどうかというのも、とても重要なチェックポイントです。曖昧な返答をされたり、違う話へすり替えられるなど、しっかりとした説明がされない場合は何かを隠そうとしているかもしれません。
しっかりとした探偵事務所であれば、依頼者の疑問や不安な気持ちに対して丁寧に返答してくれるものです。契約後に面倒なトラブルにならないよう、誠実な受け答えをしない探偵事務所は依頼しないようにしましょう。
浮気調査が完了すると調査報告書という冊子をもらうことができます。特に慰謝料請求や離婚請求をしたいのであれば、この調査報告書が浮気の証拠となるので、裁判にも使える内容かどうかを確認しておく必要があります。
- パートナーと浮気相手の顔がしっかり写っているか
- ホテルや自宅に出入りする画像が押さえられているか
- 浮気相手の自宅が特定されているか
探偵事務所によっては調査の内容のレベルが低かったり、ろくな調査をせずに高額な調査費用を請求する悪徳な探偵事務所もあります。高い調査力のある探偵事務所なのかを判断するためにも、調査報告書のサンプルは必ず見せてもらうようにしましょう。
悪質な業者の中には、調査や料金についての説明もそこそこに契約を迫ってくる場合があります。他社と比べられるのを防ぐために、契約までの期限を極端に短く設定したり、さらにひどい場合はその場ですぐに契約をするように言ってくる業者もいるようです。また、「浮気相手との関係が腐れ縁になって取り返しのつかない事になりますよ。」「お子さんの将来も台無しになるかもしれません。」などと不安をあおるような話をして契約を迫ってくるケースもあるので注意しましょう。
面談をしたからといって、必ず契約する必要はありません。面談中は気持ちがどんどん高揚してしまい、冷静な判断ができなくなってしまいます。いったん家に帰って、しっかり他社と比較したうえで契約するか決めるようにしてください。
浮気調査は担当者と協力しながら進めていくことになります。そのため、担当者とのフィーリングが合うかどうかも重要なポイントとなります。「話しやすい」「言いたいことがスムーズに伝わる」など、お互いのコミュニケーションが良好だと感じるようであればフィーリングが合っていると思われます。
逆に、言いたいことが伝わりにくかったり、思っていた答えが返ってこないという場合だと、信頼関係がしっかり築けないまま調査をすることになります。あまりにも意志疎通がうまくいかないようであれば、候補から除外するか優先順位を下げるなどした方がいいかもしれません。
まとめ
探偵事務所の多くは依頼者に寄り添った営業をしていますが、ごく一部には悪質な業者がいるのも事実です。契約や解約、調査に関する相談は毎年のように消費者センターに寄せられており、トラブルは後を絶ちません。今回紹介したチェックポイントを利用することで、悪質な業者を可能な限り除外して、自分に合った良い業者を選ぶことができるはずです。
おさらいで全20項目をまとめておきますので、ぜひ参考にしてみてください。
- 探偵業届出番号が記載されているか?
- 誇大広告を謳っていないか?
- 行政処分を受けていないか?
- 探偵事業者の団体に加盟しているか?
- 実店舗が存在しているか?
- 自宅からの距離は適切か?
- 無料相談をしているか?
- 詳しい料金の説明が書かれているか?
- 問い合わせの返信が遅くないか?
- 電話応対者の態度は悪くないか?
- 質問をしたら明確な答えが返ってくるか?
- 強引に面談を迫ってこないか?
- 折り返し電話の時間は守られているか?
- 探偵事業届出証明書が掲示されているか?
- 調査プランや料金の説明は丁寧か?
- 注意事項やデメリットを隠していないか?
- 質問をしたら明確な答えが返ってくるか?
- 報告書のサンプルを見せてもらえるか?
- 強引に契約を迫ってこないか?
- 担当者とのフィーリングは合うか?
探偵費用は決して安くはありませんので、しっかり検討したうえで判断してください。
それでは、みなさんのお悩みがスッキリ解決することを心から祈っています!